マトリックス (映画の中のアドラー心理学)

金曜日は、「映画の中のアドラー心理学」。
今回は、「マトリックス」。


人は常に「変わらない」という決心をしている


モーフィアスの差し出した2つのカプセル。あなたなら、どちらを選びますか?。「嫌われる勇気」の著者、岸見一郎先生と安藤美冬さんの対談で、安藤さんはこんな風に仰っています。

一度知ったら引き返せない「嫌われる勇気」の魔力

マトリックスの主人公ネオも、真実を知り引き返すことができなくなります。今まで信じていた価値観、生活、人生そのものが一変するとしても。ただ、そうは言っても、変わらない決心をしているのが人間の性。マトリックスの中にも、結局変われない人も登場します。

(参考)
嫌われる勇気(10/57) 人は常に「変わらない」という決心をしている

信頼、愛、そして変わる勇気

救世主になるべくトレーニングに励むネオ。ですが、その道は険しく、なかなか思うようにはいきません。マトリックスはプログラム次第で思いのまま、なんにでもなれます。プログラムをダウンロードするだけ。

ちょうど、私たちが本を読んだり、セミナーに参加して、インプットする作業と同じ。それだけでは、人は変われないんです。行動しない限り変わることはできません。変わらない決心をしている人は、いろんな理由をつけて、行動をしない選択をします。行動しないことで、「できない」のではなく、「やらない」ことにして自分自身が傷つかないようにしているのです。

自分自身を受け容れ、傷つくことを恐れない勇気を持ったとき。マトリックスの中で、仲間への信頼、トリニティへの愛、そして救世主としての道を選んだ瞬間、ネオは変わります。死をも恐れない勇気の原動力は、信頼、愛、そして自分への愛と自信でした。

大切なものを見失っている現代人

生き辛さを感じる理由。多くは対人関係に由来するものです。ありのままの自分でいられない、他人の目が気になる、孤独感。いずれも対人関係が理由です。ネオも大切なものを見失った人生を過ごしていました。真実を知り、全てを受け容れる勇気を持ちえたとき、幸せを手に入れます。決してハッピーエンドではありませんが、生を全うします。生きがいは、自ら創るもの。他人から与えられるものではありません。

あなたにしかできないこと、あなたにしか救えない人というのは必ずあります。それはとても身近にあります。あなたが気づいていないだけ。家族や友人との対人関係から見直してみることです。そこに、信頼や愛はありますか?あなたが変わることで、その変化は必ず周囲を巻き込みます。変わらない決心をしている自分を受け容れ、変わる勇気を持ってください。勇気ある行動は、必ず、あなたを変え、あなたの周囲を変えるでしょう。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。