自分の感受性くらい、自分で守れ、ばかものよ 永遠の詩02 茨木のり子 (一冊の本が繋ぐご縁)
木曜日は、「一冊の本が繋ぐご縁」
今回は予定を変更してこんなKindle本を紹介します。
こんな本
生きるための言葉に満ちた希望の詩。弱ったこころを勇気づけ、希望に導いてくれた詩人、茨木のり子。そこにはいつも生きるための言葉があった。亡き夫への想い溢れる最後の詩集『歳月』も収録。詩人・高橋順子による鑑賞解説付き。永遠の詩シリーズは、今日的に意義のある詩人をとりあげ、代表作を厳選しました。わかりやすい解説で、詩があなたにもっと近くなります。
(Amazonより転載)
自分の感受性くらい
全詩のうち、36篇が収録されています。中でも、この詩にはとても共感したので紹介します。
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが、ひよわな志しにすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
この詩は、時代を超え、今も人の心に響きます。平和になり、世の中が変化し、便利になったのかどうなのか、よくわからなくなってきた昨今。自分の人生は自分のもの。自由な分、責任も自分にあります。選択の自由を謳歌できるのが今の世の中のはずなのに、なぜかその自由を手放そうとする人が多いのも今の世の中。
どうしてだと思いますか?
ほかにもグッとくる詩がたくさん掲載されています。
ぜひ。
(参考)
茨木のり子・感動の詩
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