セレニティー (映画の中のアドラー心理学)

金曜日は、「映画の中のアドラー心理学
今回は、映画「セレニティー」。
今までと違って、ご存知の方はとても少ない作品のような....。
でも、いいんです!
このブログのアカウントにしたくらい、とっても面白くて大好きなSF作品です。


セレニティー [Blu-ray]/ジェネオン・ユニバーサル
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こんな映画


宇宙の何でも屋を主人公にし、アメリカでカルト的な人気ながらも打ち切りとなったTVシリーズ「Firefly」の映画版にあたるSFアドベンチャー。「バフィー~恋する十字架~」や「エンジェル」といった人気シリーズを作り出してきたジョス・ウェドンの劇場長編監督デビュー作。

500年後の未来。無法の宇宙には同盟による統一化の波が押し寄せようとしていた。同盟に反抗する退役軍人マルコムが船長を務めるセレニティー号は、必要とあらば強盗もいとわない何でも屋。マルコムの右腕ゾーイ、その亭主でパイロットのウォッシュ、メカ担当ケイリー、元傭兵ジェインなど個性豊かなクルーに混じり、乗客として医師のサイモンと妹リヴァーがいるが、実はこの兄妹は同盟からの逃亡者であり、リヴァーこそ同盟によって最強の戦闘兵器に改造されていた最終兵器だった。同盟の暗殺者による追跡に、対抗勢力である“リーヴァーズ”も絡み合い、熾烈な駆け引きを展開していくのだが…。

映画 セレニティー - allcinema


アドラーのことば


悩みをゼロにするには、宇宙でたった一人きりになるしかない。



この作品に、ミスターユニバースというキャラクターが登場します。宇宙のはずれで、全宇宙に向け、真実を放送している変わり者という設定です。きれいなアンドロイドと共に生活しています。

この作品の紹介を思いついたのは、このコントを初めて観たから(笑)。



対人関係から逃れることはできません。宇宙でひとりになることができたとしても、きっと人恋しさで気が狂います。日本エレキテル連合のこのコント、とてもシュールです。今だから笑えますが、将来笑えない話になるかもしれません。

今現在、宇宙で一人きりになることは不可能です。対人関係は避けることはできませんし、映画「イントゥ・ザ・ワイルド」のように、たとえ荒野で一人になったとしても、他者を意識することから逃れることはできません。

映画『イントゥ・ザ・ワイルド』 オフィシャルサイト

逃れることのできない対人関係の問題。向き合うしか術はありません。映画「ブレードランナー」の人間とレプリカント(アンドロイド)の関係の様に、この作品でも人とアンドロイドの切ない関係が描かれます。劇中では幸せそうに見えますが、人はどこまでも人を求める悲しい性を持ついきもの。例え人の似姿であったとしても、宇宙のはずれで、たった一人で生きていくことはできません。

アドラーの言葉をもうひとつ


行動に問題があるとしても、その背後にある動機や目的は必ずや「善」である。



同盟の工作員。メッチャ強いです。同盟の行った狂気を彼は知りません。崇高な理想のため、任務を全うしようとします。真実を知ったとき、意外とあっさり、今まで敵だったセレニティー号の乗員に寛大な態度をとります。真実を知っても、彼の行動は全て、彼にとっては「善」。寛大な態度に変わったことも、彼にとって「善」。

時に、人は理解できない行動をします。たとえ、他者には理解できないことも、「いま、ここ」の本人にとっては、全て「善」に基づく行動です。自分にとって、「ためになる」ように、意味づけを変えながら行動するのが人です。生い立ちや経歴などの過去に囚われると、人の行動は理解しがたくなります。「目的」に目を向けることが必要です。

今回、登場人物を二人採り上げましたが、作品を観たことのない方にはピンとこないと思います。日本では劇場未公開の作品ですが、人の本性についてよく描かれた傑作だと思います。週末はTSUTAYAへGO!してみて下さい。



映画の中のアドラー心理学について


できるだけ、多くの方がご覧になっているだろうという作品を選んで紹介していますが、今回のように知名度の低い作品も登場します。この企画全てに言えるのですが、作品自体がアドラー心理学に基づいて製作されている訳ではありません。アドラーの言葉を基にして、ある場面を切り取って紹介しています。製作者の意図と異なる解釈の場合もあるので、ご容赦ください。

作品のリクエストがあれば、コメントかメッセージして下さい。観たことのある作品なら、紹介できると思います。

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