バック・トゥ・ザ・フューチャー (映画の中のアドラー心理学)





金曜日は、映画のなかのアドラー心理学
今回は、バック・トゥ・ザ・フューチャー

まずは、名場面とともに、この曲をどうぞ。




タイムマシーンの登場する映画といえば


ドラえもんターミネーター、そして、このバック・トゥ・ザ・フューチャー。他にもたくさんの映画がありますね。過去や未来を行ったり来たりして、歴史をいじります。過去にあんなことがなければ、未来はもっとよくなっていただろうとか、未来に不都合が生じるので、過去を変えようとか。とても、都合のよい発想です。でも、面白いんですよね。できないことができちゃうって。

フロイトの「原因論

原因があるから結果がある。知ったところで、本来は原因となった過去や未来の出来事を変える事は不可能です。不可能なことを知っているから、映画の中でそれができることに我われは面白さを感じます。あんなこといいな、できたらいいな。ドラえもんの主題歌のように、我われは常に妄想を膨らませます。

もし、アドラーの考え方が世の中の主流だったら


タイムマシーンで、過去を変えること、原因となった出来事を変えること自体、どうでもよいことになります。「いま、ここ」を懸命に生きる。刹那を楽しむこと。もし、フロイトの「原因論」がスタンダードではなく、アドラーの考え方がスタンダードだったら、タイムマシーンが映画に登場することはなかったかもしれません。

ご都合主義なのに、どうしてこんなに面白いのか?

できないことを可能にする。映画は非日常を楽しむもの。観る人の夢を叶えれば、共感を生みます。そして、時間を遡り、過去を変えることって、してはいけないことなんです。我われはそれを知っています。してはいけないことを、映画が変わりにしてくれる。我われは、それを観て疑似体験をし、満足します。

過去を変えたい、変えることができたら、どんなにいいだろうと考えている人が多いということなのでしょう。物心ついた頃から、我われは「原因論」の中で生きることを強いられます。先述のとおり、これがスタンダードなので、もやもやを発散できるような映画がヒットすることになります。

でも、それだけじゃないのが大ヒットの理由

楽しかったでは終わらないのが、大ヒットの理由。観客が幸せを感じるところまでいかないと、大ヒットには結びつきません。アドラーの考える、「幸せを感じる3つの要素」を満たしているんです。「自己受容」、「他者信頼」、そして「共同体への貢献」。

バック・トゥ・ザ・フューチャーの主人公は、現在の「いま、ここ」を守るため、時間を旅します。もっとよくするために動くこともできたはずなのですが、自分の存在を守ることに努めます。今の自分が好き、家族や恋人、友人知人も、困ったもんだと思いながらも好きで受け容れているんです。そこには、愛や信頼があります。そして、そのすべてが、主人公の属する共同体。共同体を守るために、主人公は悪戦苦闘します。

結果は、少し変わりますが、それもまた受容する主人公。そして、戻った「いま、ここ」で、再び生きることを始めます。単に、原因論だけ、原因を変えて満足するだけの映画じゃないところが、面白いんです。

実は、みんな気づいているんです

アドラーの考え方は、多くの人が気づいているんです。感覚としてですが。幸せを感じることをコントロールできるところまでは至らなくとも、心のどこかで知っているからこそ、映画を観て、幸せを感じます。「いま、ここ」を懸命に生きるしかないということも。

さいごに

「嫌われる勇気」を持った主人公の演奏で締めたいと思います。演奏までタイムトラベルしてますね(笑)





最後まで読んでいただき、ありがとうございました。




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